最近ちょくちょく見かけるようになったイベリコ豚です。サシ(霜降り)が入った牛肉にも匹敵するような見るからに美味しそうな肉です。
先日、イベリコ豚を買ってしゃぶしゃぶをしました。
口の中でとろけるような脂の甘味と、しっかり歯ごたえがあるのにやわらかい赤身のお肉・・・大変美味しくイベリコ豚を堪能しました。
とても美味しいイベリコ豚ですが、イベリコ豚についてはあまり詳しいことを知りません。そこで早速、イベリコ豚について調べてみたので、ご紹介しますね。
目次
1.スペイン産イベリコ豚は5000年以上の歴史がある!
1-1.イベリコ豚はどんな豚?
イベリコ豚はイベリア種というスペイン原産の黒豚です。スペイン西部に生息しているようです。イベリコ豚はドングリを食べることで有名ですが、実際にドングリだけを食べているわけではないそうです。
写真を見る限り、黒豚といっても真っ黒ではなく少し灰色っぽいようです。イベリコ豚の歴史は古代ローマからといわれ5500年もあるそうです。紀元前から存在していたのですね。
1-2.日本では三元豚が主流だがイベリコ豚との違いは?
日本でよく食べられている国産の豚肉は、
三元豚がよく知られています。三元豚は豚の種類ではなく、3種類の純水品種を掛け合わせた雑種の豚のことをいいます。
もちろん、国産の豚肉もとても美味しいです。日本での国内生産と豚肉の流通はほとんどが三元豚です。
ではイベリコ豚とは
スペイン政府が許可したものだけをイベリコ豚というのだそうです。
イベリコ豚はイベリコ種が100%の純血種のものか、デュロック種と交配させた豚の2種類あります。最も交配種の場合、イベリコ豚と許可されるの50%以下だそうです。
デュロック種は、アメリカ産ニュージャージー原産の豚ですが、こちらも美味しい豚肉としてとても有名です。
1-3.イベリコ豚にはランクがある!
一言でイベリコ豚といっても三段階にランクがあり、本当に美味しい最高級のランクのお肉は、わずか10%ほどしかないそうです。
イベリコ豚のランク
- ベジョータ
最高品種のランクで全体のわずか10%という大変希少なお肉です。イベリコ豚は放牧され、ドングリと自然物だけを食べて飼育されます。
- セボ・デ・カンポ
同じく放牧されて飼育されます。飼料はドングリではなく自然の穀物やハーブを与えられています。飼育期間が決められており、最低12ヶ月飼育しなければなりません。
- セボ
放牧ではなく、豚舎で人工飼料を与えられて飼育されます。ほかのランクに比べ、飼育期間も短く大量に飼育されているので、比較的価格の安いイベリコ豚として日本でも売られています。
最高級イベリコ豚ベジョータになるには
デエサ(森林)で放牧中に一定量を超えるドングリを食べて飼育された豚がベジョータになる事ができます。
モントネーラという放牧中にドングリを食べる期間が設けられます。
- 森林面積に対し1ヘクタールあたりの飼育数が制限されている。1ヘクタールあたり豚の数は0.25~1.25頭と定められている
- 60日以上のモンタネーラで体重が46kg以上増加したもの
- 豚のとさつは最低月例が14ヶ月以上でなければならない
- 枝肉個体の最低重量が決められている
これらの条件をクリアしたものだけがイベリコ・ベジョータとして許可されます。
2.イベリコ豚が美味しいのは豚の運動量に関係!
イベリコ豚は特別に整えられたる環境で飼育されていますが、美味しくなるのは環境だけが理由ではありません。
2-1.イベリコ豚が美味しいのは運動による
イベリコ豚がなぜ美味しいのか、それは特別な飼育環境で豚たちがのびのびと生育されるからなのです。
イベリコ豚はストレスフリー
イベリコ豚の四肢は、ほかの豚ととは違う特徴があります。イベリコ豚の四肢は、細くて長いのが特徴です。
それはイベリコ豚たちの運動量によってできた体型だと思われます。放牧されたイベリコ豚は、自由でストレスを与えられることがありません。しかも広い森の中を自由闊達に走り回ります。
ストレスフリーのうえ、自由に走り回ることでイベリコ豚は美味しくなるのです。しかもエサはドングリの実だけではなく、ハーブや香草などもふんだんにあるので食べ物を探すストレスからも解放されています。
美味しい肉の秘訣は、イベリコ豚がストレスフリーの環境で自由によく走り回るためです。
イベリコ肉が美味しいと言われる理由
イベリコ豚がなぜ美味しいのか・・・それは牛肉のようなサシ(霜降り)の入った肉だからです。
サシの部分の脂肪は、大変良質でよく走り回った豚は筋肉が付いていて、その筋肉に脂肪分をしみ込ませる性質があります。
イベリコ豚の肉は、濃厚な赤身に甘味のある脂身が霜降り状になり、味のバランスが良くなっています。しかも特別な飼育方法のおかげで、大変良質の肉になっています。
3.イベリコ豚に含まれている栄養!
3-1.イベリコ豚の脂肪にはたくさんのオレイン酸が含まれる!
イベリコ豚はエサを探しながら、自由に歩き回るため遺伝的に脂肪が蓄えやすい性質をもっています。イベリコ豚の脂肪には高い数値で50%以上のオレイン酸が含まれています。
特にベジョータは、ドングリを食べて生育するので、オレイン酸がたくさん含まれています。
オレイン酸を多く含む足の生えたオリーブの木!?
オレイン酸は不飽和脂肪酸を代表する脂肪酸の一つです。不飽和脂肪酸は脂肪の構成要因である脂肪酸のうち、魚や植物に多く含まれています。体内では合成できないので、食べ物によって摂取する必要があります。
オリーブ油・紅花油・キャノーラ油に多く含まれていtます。イベリコ豚のオレイン酸は融点が低いため、体に脂肪が残りにくいです。実際イベリコ豚の脂肪を手で触ると体温で融け始めます。
オレイン酸は豚の種類で含有量が変わりますが、オレイン酸を多く含むことでイベリコ豚は「足の生えたオリーブの木」と呼ばれています。
オレイン酸の効果
イベリコ豚に含まれている脂肪の効果は
これらの効果により、血栓や動脈硬化を防ぐ効果があります。またコレステロールを調整する効果もあります。
そのほかの栄養
イベリコ豚にはオレイン酸のほか、鉄・亜鉛・マグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。
また、ビタミンも豊富です。特にビタミンE、ビタミンB群(B1、B2、B6、B12)などが含まれています。アミノ酸も豊富です。
3-2. イベリコ豚の美味しい部位
イベリコ豚はどの部位も美味しいのですが、どうせなら最高に美味しい肉を食べたいという方は、肩ロース肉をお試しいただくことをオススメします。
肩ロースはプレサと呼ばれイベリコ豚では最も美味しい部位だといわれています。本場スペインでも肉と言えばロースなのですが、イベリコ豚に関してはロースをしのぐ美味しさとして知られています。
また世界に誇る日本の最高級牛の霜降り和牛にも匹敵するといわれています。和牛の最高級肉は脂がやわらかく、融点が低いのが特徴でもあり、美味しさにもつながっています。
イベリコ豚の脂もやわらかく融点が低いです。和牛を食べて口の中でとろける感じがしますが、イベリコ豚も同じように肉の脂身が口の中でとろけ出すような感じがします。だからイベリコ豚は和牛に匹敵するといわれているのです。
ちなみにイベリコ豚の生ハムもとても美味しいそうです。ベジョータを使った世界でも屈指の美味しい生ハムだそうです。(ぜひ食べてみたいです。)
4.まとめ
一般に肉のようなたんぱく質は、人が元気に生きて行くにはとても必要なものです。筋肉や臓器をつくるだけでなく、動物姓タンパク質には骨をつくるメカニズムを促進し、ホルモンバランスを整える効果もあります。
長い歴史を持つスペインの最高級のイベリコ豚、美味しいだけではなく体にもとてもよい肉だということをご紹介しました。
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