私が開いている英語教室の入り口に自動販売機が2台設置してあります。大人のクラスの人は、コーヒーやお茶を飲むのに利用しています。小さい子どもたちも来ているので、子どもが飲めるジュースや小さいサイズのお水を置いています。
できるだけ子どもは、水筒にお水を入れたのを教室に持ってくるように勧めています。しかし、子どもを送ってくる保護者の方が仕事帰りだったり、仕事を抜けて子どもを連れて来る人もいます。忙しい保護者の方は、自動販売機を利用して子どもに飲み物を持たせているようです。
時々子どもが手に持ってくる飲み物が、「ドデカミン」だったり、「コーラ」だったり、中には「緑茶」という子どももいます。何を飲もうが自由なのですが・・・幼稚園ぐらいの子どもにコーラ、ドデカミン、緑茶・・・?大丈夫なのかなと思ってしまいます。
これらの飲み物にはカフェインが入っているはずなのですが、子どもが飲んでも大丈夫なのでしょうか?
教室では、子ども用にジュースや乳酸飲料、小さいサイズの水などを自動販売機に用意しているのに、あえてドデカミン?コーラ?緑茶?と思うのは間違いなのでしょうか?(@@;)
今回は子どもにとってカフェインは安全なのかどうかを調べましたので、ご紹介します。
【目次】
1.子どもは大人よりカフェインの影響を受ける!
1-1.カフェインの作用とは?子どもに飲ませても大丈夫?
アサヒ飲料の資料によると3歳~5歳の子どもを持つ女性を調べたところ、3人に1人の子どもがカフェイン飲料を飲んでいるという結果が出たそうです。なかでも緑茶を飲ませていた母親がもっとも多かったそうです。
緑茶を飲ませている母親の8割が緑茶にカフェインが含まれていることを認識していましたが、リスクを考えている母親はいなかったようです。
カフェインの効能とは
カフェインの効能とは、
- 覚醒作用
- 鎮痛作用
- 疲労回復
カフェインは、脳の中枢神経を興奮させる作用があります。そのため、疲労を忘れて集中できる効果があるのです。
脳にはアデノイシンとアデノイシン受容体という物質があります。この2つの物質がくっつくと脳の働きが遅くなります。すると疲れたり、眠くなるのです。
カフェインはアデノイシンと構造が似ており、アデノイシンの結合を阻害することで、脳は疲れを感じられなくなります。これがカフェインが眠気を覚ます理由です。
またカフェインは血管を収縮させるので、血管の拡張で起こる頭痛に効果があります。頭痛薬や風邪薬の成分としてもカフェインが含まれているのはこのためです。
大人にはそれなりのカフェインの作用の効果があると思われますが、では子どもにとってはどうなのでしょう?
子どもはカフェインの影響を受けやすい
子どもは脳が未発達で、肝臓での代謝機能が大人よりも低いです。そのため、大人と同じ量のカフェインを摂取するのは危険です。
カフェインは多く摂取すると脳を刺激し、「落ち着きがない」「よくおしゃべりをする」「夜遅くまで寝ない」などの興奮状態に陥りやすくなります。
また、数時間後にカフェインの作用が消失すると、逆に抑うつ状態が強まり「集中力の低下」「積極性の低下」「眠気」「だるさ」などが増します。
子どもは大人よりも顕著にカフェインの影響を受けやすく、時々トラブルを起します。例えば、幼稚園の場合なら、園での活動に集中できないとか、イライラしてお友達とトラブルを起すとか、先生のお話を聞けない・・・等です。
1-2.子どもがよく飲むカフェイン飲料とは?
カフェイン飲料といえば大人の飲み物と思う人も多いと思います。しかし、3歳~5歳の3人に1人がカフェインを摂取しているのです。大丈夫だと思って子どもに与えていた飲み物も一度カフェインが入っているのかどうかをチェックしてみるといいかもしれませんね。
子どもがよく飲むカフェイン入りの飲み物トップ4
- 1位 緑茶
- 2位 ほうじ茶
- 3位 ココア
- 4位 コーラ
緑茶は子どもにダメだけれど、ほうじ茶は大丈夫だと言う人がいます。また、ココアは子どもの飲み物だから安心できると思っている人もいるかもしれまでん。人によっては、赤ちゃんに湯冷ましの代わりにほうじ茶を冷まして飲ませる人がいると聞きます。
赤ちゃんにほうじ茶は絶対危険です。また小さい子に安心だからとむやみにココアを飲ませるのもやはり控えた方がいいと思います。大人がお茶やコーラを飲むと子どもがほしがり、ついあげてしまう人もいると思います。
しかし、ほしがるからといって、何でも大人と一緒に与えるのは危険です。むしろ。大人の飲み物と子どもの飲み物は違うことを教え、子どもは大きくなるまでは飲めないと思わせた方が安全ではないかと思います。
2.子どもはいつからカフェインを飲める?安全なカフェインの量は?
カフェインをいつからどのくらい飲めるのかは、子どもの体格や年齢にもよるので正確な数字は出ていません。しかし、一般に日本ではカナダ保険省が推奨する摂取量を参考にして考えています。
カナダ保険省 健康に悪影響がないとされるカフェイン接収量の目安
4~6歳 45mg /日
7~9歳 62.5mg/日
10~12歳 85mg /日
子どもが大量にカフェインを摂取すると不安や、頭痛、疲労感といった離脱症状のリスクが高まるのだそうです。脳を刺激し眠気防止に有効だが、最大の問題点は「子どもの脳の発育を邪魔する可能性がある」ことです。
特に知性や理性をつかさどる前頭前野に影響を与えます。少なくても3歳までは摂取を控えるべきです。4~6歳は1日25mg以下、7~12歳の学童児童は50mg以下にすべきだとある専門家は提唱しています。
3.飲料に含まれるカフェイン量!いつからコーヒーを飲める?
3-1.カフェインが多く含まれる飲料
では、子どもがよく飲む飲み物にはどれくらいのカフェインが含まれているのでしょう。飲料100mlにたいするカフェイン量を見てみましょう。単位は㎎です。
飲料のカフェ飲料 【飲料100mlあたりの数値、単位mg】
- 玉露 160mg
- コーヒー 60mg
- 紅茶 30mg
- ウーロン茶 20mg
- せん茶 20mg
- ほうじ茶 20mg
- 番茶 10mg
- 玄米茶 10mg
- 麦茶 0mg
玉露、コーヒーは小学生以下は極力避けた方が良いと思います。どうしても飲みたがる場合はカフェインレスコーヒーか、たっぷりの牛乳で薄めるなど工夫が必要です。
ほうじ茶のように20mgのカフェインですと4~6歳で1日約200mlまでが目安になります。また紅茶の30mgだと4~6歳児は、150ml未満が目安になります。
また、教室に生徒が持ってくるコカコーラは100mlあたり10gと意外に少ないです。また幼稚園の女の子がドデカミンをよく買ってくるのですが100mlあたり5mgです。 わりと少ないのでちょっと安心です(*^o^*)
ただ実際のコーラは500mlで、ドデカミンは350mlですから一人で飲むのは多すぎますね。
3-2.コーヒーはいつから飲める?10歳以下は避けた方が良い!
一般的にコーヒー100mlのカフェイン量は60mgです。通常カップいっぱいのコーヒーの量は200~250mlです。12歳までの子どもにはカップ一杯のコーヒーは多すぎます。
1953年に発足した一般社団法人・全日本コーヒー協会は、子どもにいつ頃からコーヒーを飲ませていいのかという問いに対し、個人差や状況の違いがある事を踏まえたうえで、一般論として次のような回答を出しています。
- 12歳~15歳以上で大人並みに体重が50kgを超えていたら、大人と同じようにコーヒーを飲んでもかまわない。
- 10歳以下の子どもは、基本的に控えた方が良い
- 6歳ぐらいからそれ以上の子どもであれば、ミルクで1/4程度に薄めれば大丈夫
つまり10歳以下の子どもにはコーヒーはまだ早い!というのがカナダや全日本コーヒー協会の回答などからわかります。
4.まとめ
大人がいつも飲んでいるからと気軽に与えてしまう飲み物にカフェインが入っていることがあります。私も早速通信をつくり、小さい子どもはできるだけお水か麦茶にするよう保護者に呼びかけようと思います。
乳幼児が缶コーヒーやエネジードリンクを飲んでまれに大変な事故につながることがあるそうです。間違って飲んで顔色が悪くなったり、けいれんをしたら迷わず救急車を呼ぶことが大切だそうです。
体が温かくなるからとか栄養があるからと冬に小さな子どもにココアを飲ませる人も多いそうですが、カフェインは子どもには危険だという意識をいつも持ち続けたいですね。
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