音楽を聴きながら運動をしている人をよく見かけます。またスポーツ選手が出場の前に音楽を聴きながら集中している様子がテレビに映っています。
運動をする時の音楽と言えば、小さいころ行ったラジオ体操です。「背伸びの運動」と言われてピンとこなくても、あのラジオ体操の音楽を聞くと、身体が自然と動いてしまいます。
音楽で動きを覚えていることもあるし、音楽を聞くと自然と身体がリズムをとることもあります。今日は、音楽と運動の関係について、説明します。
目次
1.音楽を聴きながら運動するメリット
音楽は、運動をする時には非常にメリットがあります。また音楽は、スポーツ競技においても大変効果が期待できるということで、いろいろな場面でも用いられています。
音楽を聴きながら運動をする精神的なメリット
- 集中力が高まる
- モチベーションの向上
- リラックス効果が高まる
- 気持ちを切り替えるタイミングになる
- 人に話しかけられるのを防げる
音楽を聴くと集中力が高まる
音楽を聴くと集中力が高まるということで、スポーツ選手が音楽を聴くのは、ルーティンの一つになっています。特に試合前には、いろいろな音が入ってきます。
たとえば、自分より前に競技をした人の拍手や期待の声、時には批判の声すらも耳にすることが少なくありません。
たとえば私がすきなスポーツのスケート。自分の前の人が成功しても失敗しても気になるだろうと思います。そんな時に、周りの音を遮り、他人の競技結果に動揺する必要がなくなります。
思い切り、自分の身体への集中ができない環境では、競技結果に影響がでないとも限りません。音楽を聴くことで、周囲の雑音をシャットアウトでき、自分の集中力を高めることができます。
その結果よりよいコンディションで、自分の試合に臨むことができるのです。
また、音楽は試合前だけではなく、筋トレにも多く活用されています。トレーニング中に聞こえるトレーナーや他の人の話し声、マシンの音など周囲の雑音を遮ることができ、自分のトレーニングに集中できるのです。
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モチベーションの向上
自分で好きな音をBGMとして聴いているとドーパミンの分泌が促されます。そのため、モチベーション向上に役立ちます。音楽を聴くことで気持ちが高まったり、やる気になったという経験を持っている人もいるのではないかと思います。
多くの運動選手たちが、音楽を愛用しているのは、やる気につながるからといわれています。事実、アスリートたちは音楽を聴いているうちにやる気がアップする、と答えている人も多いようです。
競技練習やトレーニングの質、競技そのものの優れた内容は、モチベーションに大きく左右されるといわれています。気分が乗ると結果もよいものにつながるでしょうが、気分が落ち込んでいる時などは、集中力もなく、けがをするかもしれません。
音楽を聴いて心が高揚し、やる気が出ると結果も良いものが出ます。日頃のトレーニングの効果も高められます。
リラックス効果が高まり、ストレスや緊張感を軽減
音楽には、もともと気持ちをリラックスさせる効果があります。辛いと思う気持ちや身体が痛いという苦痛を和らげ、極端な緊張感を軽減してくれます。
特に「F分の1ゆらぎ」の波の音、滝の音、風の音、鳥のさえずり、木の葉のすれる音など規則正しい音と不規則な音の中間での音がヒーリング効果が高いとされています。
音響振動数のゆらぎと生体リズムのゆらぎは、同じだとされる音があります。これも「F分の1ゆらぎ」だといわれています。
ヒーリング音楽だけではなく、好きな曲を聴いているときは、楽しさや気分の向上を司る脳の神経が活性化され、苦痛を感じにくくなります。
音楽は気持ちを切り替えるタイミングになる
練習中は、失敗したことで気持ちが落ち込むこともあるでしょう。そんな時にも音楽は力を貸してくれ、立ち直るきっかけになります。
ミスしたことをいつまでも気にしていては、その後のプレーに大きく影響を与えます。この曲を聴けば元気になれる、と気持ちを切り替えるのを手助けしてくれます。
私の大好きな浅田真央さんが、ソチオリンピックで大きく失敗をした後、幻の金メダルと言われた世界最高のフリー演技を翌日に演じたときは本当に感動しました。浅田真央さんが、フリー演技が始まる前に音楽を聴きながら集中していた顔が忘れられません。あのとき音楽を聴きながら、フリー演技に気持ちを切り替えていたのだと思います。
アスリートによっては、曲を使い分け、この曲の時は集中して、自分を追い込む、とかこの曲を1曲聴いたら少し休憩するとか、とトレーニングにメリハリをもたせている運動の選手も多いそうです。
いろいろな状況の中で試合に臨むこともあるでしょう。しかし音楽を聴くことは、気持ちを切り替えるよいタイミングになります。
トレーニング中に話しかけられるのを避けられる
自分のトレーニング中や、大事な試合の前には、静かに集中したいものです。むやみに話しかけられるとペースも乱れ、集中も切れていきます。練習の効率も悪くなり、一気にモチベーションが下がることもあります。
音楽を聴いて集中していると相手も話しかけにくくなります。余計な気を遣ったり、無駄な時間を使いたくないときには、音楽を聴いていると話しかけられるのを避けられます。
音楽が身体や運動に与えるメリット
音楽は、運動の競技者だけではなく、誰にでも身体を動かすときに大きなメリットがあります。人が集まって陽気な音楽が流れるとそこにいる人々は、自然にリズムをとり、知っているうたなら口ずさむ人もいます。
これだけでもその場の雰囲気は一気に盛り上がっていきます。
日本人はおとなしい人が多いので、音楽も黙って聞く人が多いですが、諸外国では踊り出す人がたくさんいます。音楽のリズムを聴くと身体が自然とリズムを取り始めた、そんな経験をほとんどの人は持っていると思います。
音楽は音楽のリズムによって身体に与える影響も少し違ってきます。
音楽が身体に与える影響
- 速いテンポの音楽
呼吸数増加
心拍数増加
血圧上昇
- 遅いテンポの音楽
呼吸数減少
心拍数減少
血圧低下
成長ホルモン増加
ストレスホルモン減少
- 好きな音楽
テストステロン増加
このように音楽にを聴くだけで、私達の身体には様々な影響がある事が分かってきています。
筋トレなどの大きな負荷のかかる運動をすると、テストステロンとコンチゾールという2種類のホルモンが分泌されます。男性ホルモンのテストステロンは、筋肉や骨の形成をしますので、筋トレなどの運動をしている人には頼もしいホルモンです。
しかし、ストレスによって分泌されるコンチゾールというホルモンは増加しすぎると、テストステロンを抑制し、筋肉を分解してしまうこともあるようです。
音楽はこの2つのホルモン分泌を抑える効果があるといわれています。筋肉を作る筋トレの時に音楽が有効な理由です。
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音楽を音楽を聴きなが運動をしたときの影響
音楽を聴きながら運動をすると実際どの程度の影響があるのでしょう。
たとえば、ジョギング、サイクリングなど低強度運動では、音楽を聴いたときの方が疲れを感じにくいといわれています。自転車などでも、音楽を聴いたほうが走行距離は、音楽を聴かない時より伸びるようです。
音楽を聴くと疲労感が軽減され、距離が伸びるのではないかと考えられています。音楽のテンポに自分の動きがあわせることで、ペーシを一定に保つことができ、動きに乱れがなくう事も一つの要因だと思われます。
2.運動をしている時の音楽はリズムが大事
音楽には、リズム、メロディー、ハーモニーとい3つの要素があります。民族音楽は、打楽器だけの音楽があります。打楽器音楽には、ハーモニーやメロディーはほとんどありません。
どんな音楽にも共通にあるのがリズムなのです。音楽では最もリズムが大事になってきます。人間は、生まれてくるとき、このリズムを聴きながら生まれてきます。生まれる前の体内で、母親の心拍を聞いてきます。
人の心拍は3拍子です。だから、人が一番安らぎを感じるリズムが3拍子なのです。テンポを速めると軽快さを感じるリズムになります。ややスローなテンポであれば、休憩の時や身体をゆっくり動かすストレッチの時など、心身共にリラックスしたいときに向いています。
たとえば、運動競技で、運動競技で走り高跳びや走り幅跳びの人が、観客に手拍子を求めることがあります。助走のテンポと手拍子が合えば、本来の力か、あるいはそれ以上の結果を出せるかもしれません。
しかし、反対に手拍子が合わないとリズムを崩し、不調な結果になる事もあります。
運動の時聴く音楽は録音されたものです。ですから、一定のリズムを刻みます。だから、音楽が人に合わせてくれることはなく、人間が音楽に自分をあわせます。いつもより速く歩きたいというときは速いテンポの音楽を聴いてあわせていきます。
音と合わせていくことで身体が良く動き、運動も疲労感なく集中できるのは音楽のすごいところだと思います。
3.まとめ
音楽は、小さい子どもでもリズムをとり楽しそうに踊ります。幼稚園のお遊戯をみんなで楽しく踊ることでリズムに合わせて音を楽しむ体験をします。
チャールズ・ダーウィンが音楽は異性を引きつけるために発明されたといいました。一方、アメリカのコロナド大学の教授は、音楽は社会の接着剤、つまり緊密な共同体を結びつける道具だと言っています。確かに、盆踊りを踊れば、地域の人と仲良くなり、ロマンチックな曲は男女が恋を語るのにはうってつけです。
音楽のリズムは、休息や楽しさ、やる気アップなど、あらゆるものに対応する魔法の薬のようです。
運動と音楽も本当に深いつながりがあるのだなとあらためて思いました。