塩麹が身体にいいと言われてから、塩麹は今ではどこででも購入できるようになりました。あのパッケージに入った麹をどう使うのか、分からないと思っている人もいるのではないでしょうか?
そもそも麹っていまいち、よく分からないと思っていませんか?
そんなあなたに今日は塩麹を含め、麹について紹介します。
【目次】
1.麹とは何?塩麹と甘麹は何が違う!
麹とは何?日本の発酵食品に欠かせない菌!
麹は日本の発酵食品に欠かせない菌です。歴史はかなり古く1000年以上も前から使われてきたそうです。2006年には日本醸造学会というところで、麹を「国菌」と民定されたそうです。
とにかく麹が作る日本の調味料は多く、麹がなければ日本の調味料は作れなくなってしまうのではないかとさえ思います。麹が作る調味料は、味噌を始め、しょう油、酢、みりんなど、生活の周りにあるものばかりです。
発酵の素である酵母菌は、長いことかけて人間にとって有益な菌として選ばれたものです。人の手で培養された微生物の中で、酵素を作る力が最も強い菌が麹菌なのです。
麹は様々な酵素を生み出します。これらの酵素は、米のデンプンを分解し最終的にはブドウ糖に、たんぱく質をアミノ酸にかえます。
塩麹、甘麹は同じ麹から作られるが、何が違うのか?
塩麹、甘麹の素は同じ米麹で、黄麹菌の一種や純白麹が使われています。甘麹はいわゆる甘酒のことです。
塩麹と甘麹の違い
- 米麹に混ぜる物が違う
- 使い方が違う
塩麹の作り方
塩麹を作るときは、米麹に塩と水を混ぜます。
作る手順1
水に2割ほどの塩を入れて溶かし、水と同僚の米麹を加えます。
この時米麹に含まれる酵素が、培地となっている米のデンプンとたんぱく質の分解を始めます。デンプンとたんぱく質から糖が生まれます。こうして米麹に含まれる麹菌のエサが増えていきます。
作る手順2
水、塩、麹をあわせた物を常温に置き、1日1回かき混ぜます。
かき混ぜるたびに米麹が塩水の中で均一になり、まんべんなく酵素が活動します。そうして塩が雑菌を死滅させます。
作る手順3
1週間から10日ほど、1日1回かき混ぜます。米が部分的に崩れ、バナナのような甘い香りがしたら完成です。
この時麹菌は脂質分解酵素が働き、甘い香りを放ちます。
家庭でも作れる塩麹です。気になる人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
甘麹の作り方
甘麹は米麹におかゆと水で作ります。
作る手順1
米1:水4でおかゆを作ります。おかゆに同量の水を加え、おかゆを60℃以下の温度下げ、米麹をほぐしながら加えます。
この時麹菌に含まれる酵素が、おかゆのデンプンとたんぱく質の分解を始めます。
作る手順2
おかゆ、水、米麹をあわせたものを50℃~60℃で保温します。
酵母菌が活発に動くのは、50~60℃の時です。デンプンやたんぱく質をドンドン分解して、ブドウ糖アミノ酸を増やしていきます。
作る手順3
完成したらきれいな容器に入れ、冷蔵庫で保存します。
塩麹と米麹の使い方
- 塩麹の使い方
塩麹は、食材をつけて、塩麹の味や成分を食材にしみ込ませるなど、調味料として使用します。
- 甘麹の使い方
甘麹は甘酒としてそのままのみます。
甘酒には酒粕に砂糖と水を加えたものと、麹で作る甘酒があります。酒粕で作る甘酒には砂糖とアルコールが含まれています。しかし、甘麹はノンアルコール、ノンシュガーで、身体に優しい飲みものです。
2. 塩麹、甘麹の健康に役立つ効果は?
さて、味も甘い物としょっぱい物になる甘麹と塩麹ですが、元々は同じところからできたものです。味が変わると効果や効能にも変化があるのでしょうか?
塩麹、甘麹の働きとその効果
塩麹料理や甘酒で消化促進
食べ過ぎたり、飲み過ぎたり、寝る直前に食事をすると胃が疲れます。胃の調子が悪い、調子がわると思ったら、塩麹を使った料理を食べましょう。
塩麹は、きゅうりや大根などを少し塩麹に漬けておくだけでも麹の働きがあります。また、甘酒にも同じ働きがありますので、すぐに飲んでおくだけでも胃の調子が違ってきます。
麹が生み出す消化酵素が消化を促し、胃を助けてくれます。
麹に含まれる主な消化酵素は、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼの3つです。
アミラーゼは、米や麦などを構成するデンプンに働きかける分解酵素です。プロテアーゼは、たんぱく質を分解する酵素です。リパーゼは、脂質の分解酵素です。
胸やけや胃の調子が悪いとき、甘酒を飲んだり、麹を使った塩麹料理をとると、胃もスッキリします。
消化酵素は弱った胃の代わりに食べ物の消化を助けてくれます。暴飲暴食で、胃が弱っていると感じたときにはぜひ試して見てください。
ただし、どちらも取り過ぎは禁物fです。塩麹は塩分、甘麹はカロリーオーバーに気をつけなければなりません。
疲れた時には甘酒で滋養強壮
夏にうなぎを食べるのは、暑い夏に元気をつける滋養強壮のため。しかし、昔の人も今と同じで、庶民は簡単にうなぎを食べることができませんでした。そこで、江戸時代には、夏と言えば甘酒だったそうです。
甘酒はブドウ糖を中心に、麹が発酵するときに生まれる多種のアミノ酸、葉酸、ビタミンB群、ペプチド類など、さまざまな栄養が含まれています。
ブドウ糖注射のように、エネルギー補給に即効性があることから「飲む点滴」と呼ばれています。
甘酒はブドウ糖が多いだけではなく、体内で糖質をエネルギーに変えるビタミンB群も豊富に含まれています。甘酒は液体なので、体内への吸収も早く、身体への影響も即効性の高い飲み物です。
疲れのある時などの疲労回復には、ぴったりの飲み物です。冬の飲み物のように感じますが、甘酒の季語は夏なのです。暑さが激しい季節の夏ばて防止に飲む、栄養ドリンクだったようです。
甘酒と名がついていますが、アルコールはゼロなので、大人も子どもも安心して飲める滋養強壮にぴったりの飲み物です。
代謝アップで肥満防止と美肌作り
甘酒と塩麹はどちらも基礎代謝を高め、美肌を保つことができるといわれています。しかも、朝は甘酒、夜は塩麹をとるとより効果があるといわれています。
基礎代謝力をアップさせたり、美肌効果にうれしい成分は、甘酒と塩麹の素となる米麹に多く含まれるビタミンB群です。
ビタミンB群は、体内で糖質がエネルギーに変わる手助けをします。液体の甘酒は、ご飯を食べるより素早く体内に吸収され、エネルギーになります。しかもビタミンB群の働きで、素早く栄養となります。
朝起きてすぐに甘酒を飲むと満腹感を感じ、基礎代謝を上げるので、肥満防止になります。
このビタミンB群は、皮膚の代謝にも効果があります。米麹に含まれる麹酸は、シミの原因になるメラニン色素の過剰な生成を抑制するといわれています。
甘酒は、おちょこ1杯で25カロリーと、熱量が少し高めです。身体を動かす前の朝にピッタリです。米麹は消化酵素を多く含んでいるので、夜に塩麹をとると胃に負担をかけずにすみます。
腸が健康になり腸活が活発に
甘酒は腸内環境にも働きかけ、便秘の解消にも効果があります。甘酒には食物繊維やその働きに似た活躍をするレジスタントプロテインというのが豊富に含まれています。レジスタントプロテインは、体内の消化酵素で分解されにくいたんぱく質の一種です。
体内で消化されず排泄されます。この時小腸を通り、余分なコレステロールなどの脂質を一緒に抱き込んで大腸へいきます。
また甘酒には、腸内の善玉菌を増やしてくれるオリゴ糖も含まれています。レジスタントプロテインとオリゴ糖の二つの働きかけで、腸内環境の改善に効果を発揮します。
3.塩麹、甘麹、他の食材との組み合わせ方
塩麹、甘麹の甘酒の効果がより発揮される他の食材との組み合わせ方を紹介します。
塩麹、甘麹の甘酒をそのまま摂取
疲れていたり、胃腸が弱っているとき塩麹や甘麹の酵素に助けてもらいましょう。
たとえば塩麹は野菜のディップやサラダのドレッシングに、甘酒はジュース代わりのドリンクとして、とることで胃腸の負担を軽減できます。
特に甘麹の甘酒は、ブドウ糖や糖質をエネルギーに変換するビタミンB群も含まれています。まさに疲労回復に即効性のある滋養強壮剤です。
豚肉と組み合わせて調理!ビタミンB軍の強化を
ビタミンB群には、皮膚の代謝に威力を発揮されるとしています。シミの原因になるメラニンの生成を抑制してくれるので、美白効果も期待できます。
豚肉にも豊富なビタミンB群が含まれているので、一緒に使えばダブルで効果があります。また、塩麹にも甘麹にも肉の臭みをなくす働きもあります。大変豚肉と相性が良い調味料です。
アボガドとの組み合わせで生活習慣病、アンチエイジング
塩麹、甘麹に含まれるビタミンB群には、抗酸化作用が期待できます。それなら、抗酸化ビタミンA、C、Eが豊富な野菜と一緒にとることでアンチエイジングにも効果がありそうです。
抗酸化作用が高く、老化防止、生活習慣病予防に役立つと言えば、アボガドです。アボガドに多く含まれるビタミンEやAは脂溶性なので、塩麹、甘麹だけでなく油もあわせると体内に吸収しやすくなります。
砂糖の代わりに甘麹でカロリーオフ
甘麹(甘酒)はのカロリーは、砂糖の三分の一といわれています。同じ甘さでカロリーが低いのなら甘味を甘麹にかえるだけでカロリーオフになります。甘麹の甘さは、とてもやさしい甘みです。整腸作用などの効果も期待できます。
4.まとめ
麹は日本の食品の中で発展した独特のものです。腸活を始め、滋養強壮、代謝アップなど、麹を身体に取り入れることで、健康にもたらす効果は、とても大きいです。体力があるとどんな病気にも抵抗でき、病気に負けない身体でいられます。
日々の食事で、ほんのちょっと健康に良いものをとるだけでいいのですから、毎日の食卓に麹を使う工夫をして見るといいのではないでしょうか。