ワインは体に良い、というフレンチパラドクスという言葉を聞いたことはあるでしょうか? ワインガドのように体がいいのか、またアルコールは健康に大丈夫なのか疑問もあります。ワインが体に良い効能とは何なのでしょうか。
今回はワインの効能を示すフレンチパラドクスや実際、健康に本当に良いのかなどについて紹介します。
【目次】
1. フレンチパラドクスと赤ワイン効能
健康的だ、体に良いと聞く赤ワインですが、アルコールなのに本当に体にいいのでしょうか?
人気の理由は健康効能が優れているからとよく聞きます。
赤ワインはポリフェノールが豊富であることに注目されました。
それが活性酵素によるコレステロールの酸化を抑える効果が期待できるからです。
日本でも食生活の欧米化が進み、成人病患者が増え、健康を意識し始めていたので、赤ワインは一気に健康に良いと注目の的になったのです。
フレンチパラドクス
そんな中で1992年にフランスの学者の研究発表が世界で注目を浴びました。
フランス人はご存じのように大変体も大きい人がいますし、肉もたくさん食べます。肉の量もワインの量も半端でない量を食べているのです。
ところが、フランス人は他の西洋諸国に比べると動脈硬化による心臓病の死亡率が大変低いのだそうです。
これは、赤ワインの中に多く含まれているポリフェノールによるものだろうといわれています。これがフレンチパラドクスで、赤ワインの人気の理由です。
驚くことにフランスは年間一人あたり、67リットルものワインを飲むそうです。日本は年間1リットル弱です。
赤ワインは、ブドウの皮も種も一緒に発酵させて作ります。赤ワイン1リットルの中に、約4gのポリフェノールが含まれています。
フランス人の体は、赤ワインになれた体になっているので、あまり酔わないと聞いたことがあります。
日本の緑茶にもポリフェノールが含まれていて、赤ワインと同じ効果があると報告されています。
赤ワインの効能
ではポリフェノールをはじめ多くの効能があるワインの健康効能を紹介します。
- ワインの効能
1. 動脈硬化の予防
赤ワインのポリフェノールが動脈硬化の予防や脳卒中、心疾患の予防にも効果があると考えられています。
ポリフェノールは、抗酸化作用が強く、ブドウの果皮や種に多く含まれています。なかでもポリフェノールの一種であるレスベラトロールは、ブドウの果皮にあります。
レスベラトロールは、LDL酸化防止、抗血小板凝集、血栓予防といった効果があるとされています。
フランスの食事は一般に高脂肪食です。
通常は高脂肪食をとり続けるとメタボリックシンドロームにより、最終的には動脈硬化を引き起こしやすくなります。
フレンチパラドクスに見られるように、高脂肪食でも虚血症疾患が少ないフランスから考えられることは、赤ワイン抗酸化作用です。
たとえ高脂肪食を食べても、同時に飲む赤ワインの抗酸化作用により、動脈硬化の危険が少なくなったということです。
この健康効能が赤ワインが人気になった理由です。
2 認知症の予防
フランスのボルドー大学の研究チームが65歳以上、およそ3800名を対象に、アルコール性認知症やアルツハイマー型認知症のリスクや死亡率の調査をしました。
3年間にわたって調査した結果、ワインを毎日3~4杯飲んでいる人は、飲んでいない人に比べ、認知症の発症リスクは5分の1,アルツハイマーのリスクは4分の1、死亡率約30%が低いという結果が出ました。
ワインに含まれているポリフェノールやペプチドが、脳の神経細胞を保護し、脳機能改善するからだと考えられています。
3 高血圧予防
ワインにはカリウムが多く含まれています。カリウムは体内ナトリウムと結合して塩分を減少させ高血圧予防に役に立ちます。
通常の血圧に対して、ワインを少量飲むだけで、血圧の数値が10程度下がります。多少多く飲んでも血圧はあがることがないようです。
ただ血圧があがる予防はしますが、はっきり血圧が下がるかどうかは、疑問があるようです。
スペインのバルセロナ大学で糖尿病や心臓血管リスクをもつ患者を対象に、赤ワインとノンアルコールの赤ワインを食事とともに飲み続けてもらった研究結果があります。
赤ワイン、ノンアルコールワインは同僚のポリフェノールと酸化防止剤を含有しています。4週間ずつ飲んでデータが作られました。
その結果、赤ワインの血圧降下は思ったより度合いが少なかったようです。むしろノンアルコールの赤ワインが血圧を低下させることがわかりました。
赤ワインに含まれるアルコールが血圧を下げる作用を邪魔しているようなのです。
ポリフェノールには間違いなく血圧を降下させるようなのですが、赤ワインとなるとアルコール部分が邪魔するようです。
4 その他の効能
赤ワインに含まれる健康効能としては次のようなものがあります。
- 硫黄には肝臓の機能を高める効果があります。
- ヨードには、動脈の老化を防ぎ血圧をコントロールします。
- 精神的な効能としてリラックスする働きがあります。
脳内のタンパク質トリプトファンから作られるセロトニンには、 高揚感を促す働きがあります。ワインに入っているアルコールは、セロトニンの分解を妨げる効果があります。高揚感が続き、リラックスにつながると 考えられます。
2. 赤ワインに含まれるポリフェノールの効能
赤ワインは健康効能が多いので、人気がありますが、他の種類との大きな違いは赤ワインの色だと思います。
ワインは熟成すると、アントシアニンとカテキンなどのポリフェノールどうしが結びつく、重合反応が進むと色調も変化します。紫色から赤、レンガ色になります。
色が変わるとポリフェノールの抗酸化作用の活性も増していきます。味も角が取れ手まろやかになっていきます。
ポリフェノールの量はなんと言っても赤ワインがだんとつに多いです。しかし、白ワインにまったく入っていないわけではありません。
赤ワインはワインの熟成の度合いによって入っている量が変わりますが、200㎖中160~600mg入っています。
これに対しロゼは200㎖中100mg、白ワインは50~160mg入っています。
白ワインは元々色が淡い品種の物を使っています。
これに対し赤ワインは黒いブドウの品種を使って作られています。赤ワインは皮も種も丸ごとつぶして作られます。
つぶした段階では淡い色がですが熟成が進むとだんだん濃い色になっていきます。味も軽い物から濃い味に変わっていきます。皮や種も含め丸ごとつぶして発酵させるため、ポリフェノールの量が多くなっています。
赤ワインの人気の理由は健康ですが、白ワインにも色々な効能があります。味は白ワインの方が甘いので、赤ワインを飲んで苦いと思う人は案外白ワインならすんなり飲めると思います。
3. 赤ワインの飲み方と注意するポイント
赤ワインは健康効能が人気の理由になっていますが、飲むとき注意をしなければならないこともあります。
また、日ごとに熟成する赤ワインの保管方法も気をつけなければいけません。
赤ワインをのむと気の注意
- ワインを飲む量
- 割るように注意
- 口内環境に注意
ワインを飲む量
ワインの適量は1日180㎖が適量だと考えた方が良いです。厚生労働省が推進する国民健康づくり運動「健康日本21」では「節度ある適度な飲料」を1日平均20g程度としています。
あくまでも基準値ですが、ワインの場合180㎖で20gのアルコールになります。
悪酔いに注意
ワインには酸化防止剤として、亜硫酸がほとんどの物に添加されています。ワインは保存中に酸化が進みます。亜硫酸の添加されている物は、飲み方によっては悪酔いをすることがあります。
気になる人は自然派ワインのビオワインや、亜硫酸無添加の商品もあるので選ぶときに気をつけるといいでしょう。
口内環境に注意
ポリフェノールは、時間をかけて歯の表面に蓄積されます。やがて着色汚れ(ステイン)になることがあります。
予防としては、ワインを飲んだ後は、水で口をゆすぎ歯に付着した物を洗い流します。その後歯磨きをします。
口をゆすがず歯ブラシでこすると歯の表面のエナメル質がもろくなっているので、エナメルが酸で解けてしまいます。
ワインを保管する時の注意
ワインは光が苦手です。また開封をしていないから大丈夫と言うこともありません。封をしていても熟成は続きます。温度が高すぎると熟成は早く進みます。
保管は13℃~15℃ぐらいが適正です。湿度は70%~80%がコルクをほどよく湿った状態に保ちます。
飲み残しのワインは横にせず冷蔵庫に立てて保管するようにします。横にすると空気に触れる面積が大きくなるので劣化しやすくなるのです。
4. まとめ
赤ワインにはポリフェノールがたっぷり、ドンドン飲みましょうとはやはり言えませんね。アルコールですからほどほどに、健康を考えて飲むのはいいと思います。毎日飲む人も週に2日は、お休みして肝臓をいたわってあげた方がいいです。
特に年々アルコール依存症も増えています。
健康効能があっても、フランス人の持つDNAの特徴と日本人は違います。
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