寒くなってくると温かいお風呂が恋しくなります。お湯にはいって体をリラックスさせると1日が、終わったと思えるのです。特に寒い日はお湯に入るのが楽しみです。店には数多くの入浴剤が置いてあります。
なんとなく体に良いのでは・・・と思うのですが、本当はどうなのでしょう。
今日は寒くなるとなんとなくお風呂に入れて入りたくなる入浴剤について、紹介したいと思います。
目次
1. 入浴したときの効能と入浴剤の関係
日本人ぐらいお風呂がすきな人種は他にはいないといわれています。日本が火山国という地理的な条件と四季折々季節の変化で気候も変わるため、体調を調整するためにも湯を好むのだと思われます。
入浴をする効果
- 温熱効果
- 水圧作用
- 浮力作用
1 温熱効果
温熱効果は、温度によって体の効果が違います。
あまり好まれませんが、高温の入浴もまったく悪いわけではありません。
高温浴42°~43℃の場合
交感神経の緊張を促します。ただし42℃以上は交感神経が高ぶってしまいます。
ちょうど一種の戦闘状態のようになるため、血圧が上がり、脈が速くなるので、あまり勧めません。
短時間であれば41~42℃の温度は元気が出てやる気が出る温度です。ただ5分以上は、入らないようにしましょう。
微温浴35℃~38℃の場合
副交感神経が働いて、精神的にも安らぎ落ち着いた気分になれます。
体温は体温より低い温度のお湯に入ると失われた温度を補うため、体内糖類を燃焼させ、血流を早め、皮膚からの放熱を抑えるため毛孔を閉じるなどの反応を示します。
微温湯では身体はリラックスし、緊張は解かれ、新陳代謝が促進されて、疲労回復がすすみます。
2 水圧作用
水中では、腹部に受ける圧力で横隔膜が上に押し上げられます。そのため肺の容量が少なくなり空気の量が減少します。これを補おうと呼吸数が増えます。
一方静脈の血液量やリンパ液がいっせいに心臓に戻されてくるので、心臓の動きが活発になり全身の血行が活発になります。
3 浮力作用
水中では空気中に比べて約1/9程度の重さになります。
水やお湯の中では体を支えるため緊張していた筋肉もほぐれ、また水の抵抗も加わるので筋肉の状況に置いています。
この原理が色々な病気や障害の治療に作用されています。
体が軽くなるのでだるさを感じなくなり心身ともにリラックスできます。
こうした効能があるお風呂に入浴剤を入れると、どんな効果が期待できるでしょう。
入浴剤は医薬品医療機器等法で定められています。入浴剤の効能は、入浴そのものによって得られる温浴効果と洗浄効果を高めることにあります。
温浴効果とは、身体を温める、痛みを和らげるという意味があります。
また清浄効果は、汚れを落とす、皮膚を清浄するという目的を表しています。
入浴剤が作られた背景
日本は古くから天然の温泉を利用して、病気やけがの治療をしてきました。また同様の目的で、浴用植物の利用も盛んに行われました。
薬用植物を用いた薬湯は、端午の節句の菖蒲湯、冬至のゆず湯がよく知られています。
入浴剤は明治時代、さまざまな生薬を配合し布袋に入れて用いられたのが始まりです。
当時、様々な温泉効果が家にいても応用できないかと考えました。当初は天然の温泉成分を乾燥、粉末化し使ってました。
昭和初期になると無機塩類入浴剤が開発され、発売されました。
これらは、温泉を構成している成分のうち安全性が高く、効果効能があり品質が安定していて、原料としても確保しやすかったのです。
2. 入浴剤のタイプとタイプ別の効能
入浴剤の成分は厚生労働省の承認許可を必要としています。
市販されているもののほとんどは、無機塩類、生薬類、酵素類、有機酸類、保湿剤、着色料、香料などが使われています。
無機塩類は、入浴による温熱効果や清浄効果を高め、湯を軟らかくします。また、生薬類は、入浴効果を高めます。酵素類は肌の清浄化を図ります。
入浴剤のタイプとその効能
1 無機塩類塩素系入浴剤
硫化マグネシウム 炭酸ナトリウム 硫酸ナトリウム 、炭酸カルシウム 塩化ナトリウムなどを主成分とするもので剤型的には粉末顆粒が多いです。
このタイプの最大の特徴は、塩類が皮膚の表面のタンパク質と結合し、膜を形成します。この膜が身体の熱の放射を防ぐので、入浴後の保温効果を高めます。そのため入浴後は、湯冷めしにくくなります。
また炭酸水素ナトリウムは石鹸と同じように、皮膚の汚れを乳化する清浄効果があります。
各地の温泉地名をつけた商品が発売されていますが、これらは、塩類系入浴剤に分類されています。
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2 炭酸ガス系入浴剤
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、琥珀酸、フマル酸、りんご酸などを組み合わせたもので 剤型的には錠剤や粒状が多いです。
このタイプは炭酸ガスの血管拡張作用を有効利用したものです。
お湯に溶けた炭酸ガスは皮膚から吸収され 簡単に皮下内に入ります。そうして、直接血管の筋肉に働きかけ血管を広げます
血管が広がると末梢血管の抵抗が弱まるので、血圧が下がり血流量が増えます その結果全身の新陳代謝が促進され疲れや痛みなどが緩和します。
同時に温かい湯に入っているならば血液が体表面の熱を全身へと運び、体の芯まで温めます。なお皮下内に入った炭酸ガスは肺から呼吸によって体外に出されます。
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3 薬物植物系入浴剤
センキュウ、トウキ、ボウフウ、チンピ、ハッカ葉などの生薬を配合しており、 生薬をそのまま刻んだもの 生薬のエキスを取り出してほかの成分と組み合わせたもの、など種類はいろいろあります。
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4 酵素系入浴剤
タンパク質分解酵素 、パパイン、バンクレアチン などの酵素を配合したものは、無機塩類と 組み合わせて使うことが多いです。
酵素は医薬品の消化剤や 洗浄剤などによく利用されています。人間は 微生物や植物などの生物の体の中で作られ、タンパク質や脂肪 デンプンなどを分解して、消化や洗浄を助けます。
入浴剤に酵素を配合する目的は皮膚に無理な刺激を与えずに、洗浄することを目的としています。
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5 スキンケア 系入浴剤
セラミド 、コメ胚芽油 、エステル油、 スクワラン、 ホホバ油、植物エキス、 米発酵エキスなど 保湿成分主に配合したものです。
このタイプは保湿成分が入浴中に皮膚に吸着浸透し、スキンケアを行うものです。特に冬は乾燥しやすい上、入浴後 過度に角質中の水分が失われます。そのためお肌のかさつきが起こりやすくなっています。
また入浴で膨張したお肌は 浸透しやすい状態になっているため、保湿成分が肌の表面に吸着するだけでなく角質内部にまで浸透します 。
3. 正しい入浴と入浴剤の使い方と注意すること
入浴は体を洗うほかリラックスをしたい、体が痛いなど目的があって入浴する場合もあります。
たとえば、40℃以下のぬるいお湯にゆっくり長くつかると、ストレス解消に効果があります。ぬるい湯は副交感神経が優位で、心身を鎮静させる作用があるからです。
またぐっすり眠りたいときは38℃~40℃のぬるめ湯で、少し長めに入るといいです。体の緊張がとれて、たまっている疲れがどっと出てきます。
もう一仕事という場合は、42℃~43℃の熱いお湯で短時間入ると、交感神経を刺激し、心身の緊張を高めます。そのため活発な気持ちになれます。
入浴剤は、使用した後何日も放置すると風呂がまを傷めてしまいます。必ず、翌日にはお湯を抜き、きれいに洗い流す必要があります。早めにお湯を抜いて、浴槽まわりを十分水洗いする必要があります。
4 まとめ
なんとなく入浴剤を入れるとお湯が柔らかくなり、温まる感じがしていました。
江戸時代から生薬を使い入浴剤らしき物を使っていたのには驚きました。
本当に日本人はお風呂が好きなのですね。
今日、様々や入浴剤が楽しめるのも江戸、明治~昭和へと長い期間、研究されてきたおかげです。
寒い時期、自分の気に入った入浴剤で楽しバスタイムを過ごしてみるのもいいですね。
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