ブドウは秋になるといろいろな種類が店頭に並びます。ブドウで作るワインに入っているポリフェノールが有名ですが、原料のブドウにはどんな栄養があるのでしょうか。
ブドウはとても甘いイメージがありますが、食べても大丈夫なのでしょうか。カロリーが心配になる人もいると思います。今回は、ブドウの効能やカロリーについて紹介します。
目次
1. ぶどうとは? ぶどうの色・品種の違いは?
秋になると美味しい果物がたくさん出てきます。
梨に、ぶどう、柿、リンゴ。個人的にはどれも好きなのですが、なかでもぶどうが一番好きです。
春は、いちご、夏はメロン、秋はぶどう、冬はみかん。
私の大好きな四季の果物です。
以前博物館でエジプト展があり、見に行くとぶどうの絵がありました。エジプト時代にもぶどうを食べていたんだ、と思いました。
ぶどうの生産
ぶどうは世界中で生産されています。
果物の生産としてぶどうは、世界規模で最も多く生産されています。日本では、山梨県や長野県、山形県が生産地として有名です。
近年中国や韓国に種を盗まれたシャインマスカットは、見事な粒と甘みのある見た目もゴージャスなぶどうです。盗まれて、逆輸入はちょっと腹が立ちます。
また、世界で最古のお酒は、葡萄酒だといわれています。ぶどうの房をつぶして容器に入れておくだけで果皮にいる菌で簡単に発酵するそうです。
コーカサス地方にあるグルジアでは5000年以上も前からワイン作りが行われています。
日本には古くから山ぶどうが自生していました。他国のぶどうは奈良時代シルクロードを経て伝わったといわれています。鎌倉時代にはすでに甲州ぶどうを呼ばれるぶどうが栽培されていました。
■ぶどうの色の違い
ぶどうには主に3種類の色があります。色の違いは品種や遺伝子によって果皮への色素の蓄積量が違うからです。
色素の1種はポリフェノールの中のアントシアニンで、ぶどうの果皮の色が濃ければ濃いほどアントシアニンが多く含まれています。
ぶどうの種類は、世界に1万以上も存在するといわれています。日本では30~40種類のぶどうが栽培されています。
■ぶどうの種類
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巨峰
日本では国内生産約35%の生産を占めています。雄大な富士山にちなんで名前がついたそうです。巨峰は花をつけた後そのまま実をつけると赤い色の実がなり、糖度もそれほど高くならないそうです。
黒くてあの甘みを出すためには花がついたら適度に間引き粒の数を調整することで一粒一粒に栄養が行き渡り色も黒くなります。
近年では種なしぶどうが好まれているようです。実は私もぶどうの中では、巨峰が一番好きです。
まだ暑い夏の終わりに瘀早速店頭に並ぶのがデラウェアです。
粒が小さく種がないことから、小さい子どもにも人気があります。デラウェアが店先に並ぶと、後を追いかけるように色々な種類のぶどうが出てきます。
山梨県の甲州地方で古くから栽培されているぶどうです。果皮は薄茶色で、少し甘酸っぱいです。甲州ワインの原料です。
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マスカット
「ぶどうの女王」と呼ばれ、大粒の黄緑色をしています。皮ごと食べられ、芳醇な香りと上品さがあります。現在では岡山県を中心に多く生産されています。
2. ぶどうに含まれる成分と健康効能は?
ぶどうのカロリーと成分
ぶどうは甘いのでカロリーが心配です。
しかし100gの生ぶどうはカロリーが59㎉で、皮付きで64㎉です。過剰に食べなければさほど気になるカロリーではありません。
ところが干しぶどうにしてしますとなんと100gのカロリーは300㎉にもなってしまいます。しかし干しぶどうは食物繊維をはじめ、ミネラルやブドウ糖が6倍から10倍近くも多く含まれています。
特にミネラル関係のカリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、いずれも干しぶどうには多く含まれています。
干しぶどうは栄養価も高いですが、カロリーが高いので、食べるときは注意が必要です。生のぶどうはそれほどでもありません。
■ポリフェノール
ぶどうと言えばポリフェノールというくらいポリフェノールが有名になりました。ポリフェノールは自然界に5000種類以上もあります。
植物系の抗酸化作用であり、ビタミンCやビタミンEと同じくらい強いものです。美肌効果があります。特にぶどうの種にポリフェノールは多く含まれるため、実から果皮まで丸ごと使うワインに注目が浴びています。
白ワインはわずかですが含まれています、。
特にぶどうに多く含まれているポリフェノールは、アントシアニンとレスベラトロールです。ポリフェノールの一種であるアントシアニンは、ぶどうの果皮が濃いほど多く含まれています。
アントシアニンの健康効能は、
視覚回復や抗酸化作用、悪玉コレステロールの発生防止、血液の正常化や動脈硬化、ガン予防などがあります。
レスベラトロールは
特に抗酸化作用の強いポリフェノールの一種です。これは、赤ワインに多く含まれています。
主な健康効能は老化抑制、肥満予防、ターンオーバーの正常化、肌の潤い・弾力の維持によるシワやシミ予防、肌荒れなどです。
特にレスベラトロールは、老化を抑制する「長寿遺伝子」と呼ばれる「サーチュイン遺伝子」を活性化させるといわれています。特にデラウェアに多く含まれています。
ポリフェノールは全般に強い抗酸化力を持っています。紫外線や喫煙、ストレスなどの生活の様々な場面で発生する活性酸化を除去し、体が酸化するのを防ぎます。
ぶどう全体の健康効能
1 視機能を改善する
アントシアニンが豊富に入っているため、目のまわりの血流が良くなり、眼精疲労を改善します。
目の疲れやショボつき、かすみ目、目のぼやけなどを改善する効果があります。
2 生活習慣病の予防・改善
ポリフェノールや有機酸、ぶどう種に含まれるリノール酸やオレイン酸をはじめとする様々な成分には血中の悪玉コレステロールを減少させる働きがあります。
ぶどうに含まれるカリウムには、血圧の上昇を抑える働きがあります。そのためこれらの成分を多く含むぶどうには高血圧を防ぎ、動脈硬化などの生活習慣病の予防に効果があると考えられています。
また血糖値抑制効果もあるので、糖尿病の予防効果もあります。アントシアニンは内臓脂肪の蓄積を抑え、メタボリックシンドロームの予防効果もあります。
■ 老化防止
ぶどうに含まれるレスベラトロールは、細胞の生まれ変わりを正常に保って細胞の質の低下を防ぐ働きがあります。細胞の質が低下すると老化が進みます。
またタンニンやぶどうの種子に多く含まれるプロアントシアニンは、皮膚細胞の酸化を抑制し肌のシミやシワ、ソバカスなどを防止する働きもあります。
疲労回復効果
ぶどうには体内に吸収されやすいブドウ糖や果糖が豊富に含まれています。これらは、体内で素早くエネルギーに変換されるため、即効性のある優れたエネルギー源になります。それで疲労回復に高い効果を発揮するといわれています。
下痢を予防する
ぶどうに含まれるタンニンには、強い殺菌作用があります。腸内の悪玉菌を減少させるので、悪玉菌が原因で引き起こる下痢を予防することができます。
むくみを予防・改善する
ぶどうは尿の排出を促し、肝機能や腎機能を高めます。そのためむくみを解消する働きがあります。またぶどうに含まれているカリウムが体内の余分な水分を排出します。
そのため水が原因のむくみの予防・改善に効果があります。
3. ぶどうの選び方と保存の仕方?冷凍も大丈夫!
【ぶどうを選ぶときのコツ】
- 茎が太く青みがある
- 張りのある実がびっしりと詰まっている
- 皮の色が濃く白い粉が吹いている
- 大きい房より、中ぐらいの房を選ぶ
白い粉はブルームというものです。ぶどうが病気や乾燥から自身を守るため、ぶどう自身が出すものです。ブルームがきれいについているということは、より新鮮なぶどうだと言うことになります。
■ぶどうの保存方法
ぶどうは約85%が水分のため傷みやすいです。できるだけ鮮度が良いうちに保存した方がいいです。
保存は房のまま、房から外した方法があります。常温で保温する場合は1日~3日間ぐらいです。一度くしゃくしゃにした新聞紙かポリ袋に包んで冷暗所で保管します。
冷蔵庫の場合、房のまま保存するときは、一房ずつ新聞で包み、乾燥を防ぐためポリ袋に入れて野菜室で保存します。
粒を外すときは身の上の茎を2~3ミリ枝を残すように1粒ずつはさみでカットして保存袋に入れ野菜室で保存します。
冷凍の場合房のまま保存するときは一度洗って、十分に水気をとり房のままポリ袋に入れ冷凍庫に保存します。食べるときは手の温度で少し溶かすと皮は簡単にとれます。
粒で保存するときは、枝を少し残して房から外し、水洗いをして水分をとります。容器や袋に入れ冷凍庫で保存します。
4. まとめ
ぶどう酒は世界最古のお酒と言われているだけあって、ぶどうの木の花言葉はイギリスでは「陶酔」、フランスでは「忘却」「情熱の陶酔」というのだそうです。
大好きなぶどうが思った以上に効能があり、とてもうれしいです。おいしいぶどうには栄養があり、たくさんの健康効果もあるので、食べるのが楽しみです。
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