近年、発酵食品ということばをよく耳にします。日本にはたくさんの発酵食品があるといわれています。発酵食品は、様々な微生物の働きにより発酵が進みます。
特に大変身体に良いと言われています。発酵食品の歴史は古く、太古から発酵食品はあったようです。
身体に良くて、昔から食べられてきたなんてまさに奇跡の食品です。幸いなことに、日本は発酵食品と呼ばれている食品がたくさんあります。発酵食品なんて関係ないと思っている人もいるかもしれません。
しかし、長寿国日本は、平均寿命に対し健康寿命は10歳下なのをご存じですが?10年近く介護や寝たきりの生活を余儀なくされている人が多いのです。やはり、ここは食からの健康を見直してみてはいかがでしょうか。
発酵食品が一体どんな風に身体に良いのか、またどんな食品があるのかを紹介します。
【目次】
すべてがわかる! 「発酵食品」事典 (食材の教科書シリーズ)
1. 発酵食品の発酵とは微生物が働く
発酵食品とはどんな食品か
発酵とは、様々な微生物の働きにより、食物の中の炭水化物やタンパク質が分解され、人間にとって有益になる物のことです。その有益な物を発酵させて加工した物を発酵食品といいます。日本だけではなく、世界中に数多くの発酵食品があります。
人類がはじめてであった発酵食品は、ヨーグルトのような発酵乳だといわれています。人間は山羊や羊を紀元前1万年頃、牛は紀元前8000年頃家畜化したといわれています。ヨーグルトもその頃、搾った乳に乳酸菌が入り、偶然できたものと考えられています。
日本の発酵食品
日本の最古の発酵食品は「魚醤」ではないかといわれています。もっとも原始的な調味料は「塩」です。日本は、海に囲まれているので塩を使う生活習慣がありました。魚に塩をつけて、抽出された水を濾すと「魚醤」になります。
おそらく昔の日本人は、塩を魚につけると保存ができることやその魚から出る水をなめたら美味しかった事から「魚醤」を作り始めたのではないかと考えられています。
2 発酵させ発酵食品が作れる、コウジカビって何?
発酵食品はどうやって作るコウジカビって何?
発酵食品は、乳酸菌や麹菌など微生物が食品の持つ糖やタンパク質を分解します。その後変化して別の食品になるのです。
たとえば、ワインですがブドウの皮には酵母菌があります。その実がつぶれて残った物から自然発酵し、お酒が生まれます。
コウジカビは日本独特のもの
日本の発酵食品はすべて「麹菌」から作られるといっても過言ではありません。「麹」は、米・麦・大豆などの穀類に「コウジカビ」などの食品発酵に有効な微生物(カビ)を繁殖させたものです。
コウジカビは繁殖するため、デンプンやタンパク質等を分解する酵素を生産します。そして、蒸米や蒸麦のデンプンやタンパク質を分解して、アミノ酸を栄養源として繁殖するのです。このコウジカビが、生成したいろいろな分解酵素を利用し、発酵食品が作られています。
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発酵食品の種類とその発酵食品の代表3つ
発酵食品には、納豆、ぬか漬けをはじめとした漬け物があります。調味料では味噌・醤油・酢、魚醤、かつお節、塩から、など多数、酒類では日本酒、ワイン、ビール、甘酒チーズ、ヨーグルトなど本当に多くの発酵食品があります。
その中でも代表的な物をご紹介します。
納豆
納豆は大豆に納豆菌に作用させた伝統的な発酵食品です。大豆は発酵して納豆になることでビタミンB2が増えます。また発酵で生まれた納豆キラーゼという酵素は血栓を溶かす働きをしますので、血液をサラサラにしてくれます。
納豆菌は腸内フローラでも有名なように生きたまま腸に届いて善玉菌として働きます。多くの生活習慣病の予防に効果が期待される食品です。
ヨーグルト
発酵により牛乳よりビタミンB2の量が増えます。またおなかの調子を整えます。乳酸菌が乳糖やブドウ糖を分解して酸を作ります。
この酸が腸を刺激して便通をよくするのです。腸内を弱酸性かするため悪玉菌が抑えられて腸内環境が良くなります。
甘 酒
個々で説明するのは米麹の甘酒です。アルコール度数を含まないさらりとした甘さになります。甘酒になっても米麹の働きは健在でタンパク質やデンプンを分解します。栄養価も高く「飲む点滴」「飲む美容液」と言われるほどです。
3. 発酵食品の効果は腸内環境を整える
発酵食品は体内に入る段階ですでに消化が始まっています。そのため体内で消化するためのエネルギーや消化酵素が少しですみます。酵素を無駄遣いしないで済むので健康な身体を作ることができます。
腸内環境を整えて免疫力を高めてくれます。腸には体内の免疫細胞のうちおよそ6割が集中しているといわれています。
この免疫力を活性化させることが外部からの病原体と戦う免疫力の向上にもつながるのです。発酵食品は悪玉菌より善玉菌を優位にしてくれます。
発酵食品でやってはいけないこと
発酵食品に含まれる酵素は、熱に弱いので、体内にそのまま取り入れたいときは、加熱を避けた方がいいです。
発酵食品の賞味期限は?
保存食ではありますが、市販の商品は衛生上の問題で殺菌処理がされています。そのため発酵がとめられているので傷みやすくなります。賞味期限は守った方がいいようです。乳酸菌などの発酵商品は過熱すると菌は死滅します。
しかし善玉の菌のえさになることで、腸内環境をよくしてくれます。無駄にはなりません。
4. まとめ
偶然の産物とは言え自然が作り出したミラクルな食品が、発酵食品です日本は幸いにも先人たちの知恵で、多くの発酵食品が生み出されています。健康志向が強くなっている現代には、まさに恵みの食品です。この優れた食品を取り入れた生活は、健康生活への第一歩になると思います。寿命と健康寿命がほぼ一致するような生活を志してみてはいかがでしょうか。