大勢の人が集まった部屋、その部屋が締め切っていると何か独特の臭いがします。そんな臭いにいやな思いをしたことがあるのではないですか。
体臭と言っても原因によって起こる体臭がちがい、その対処法も変わります。今回は特にその原因の一つである汗や皮脂を原因とする体臭について紹介します。
【目次】
1.汗や皮脂を原因とする体臭の原因とメカニズム
体臭といってもそれぞれに原因や仕組みが違っています。汗や皮脂を原因とする体臭と汗や皮脂以外が原因の体臭があります。
汗や皮脂を原因としない体臭は、加齢臭、口臭、疲労臭、生活習慣による体臭、病気を原因とする体臭などです。
今回は汗や皮脂を原因とする体臭について紹介します。
汗や皮脂を原因とする体臭には3つある
① ワキガ
② ミドル脂臭
③ 足臭
- 汗や皮脂を原因とする体臭は、
- 汗
- 皮脂・皮膚にある常在菌
の3つが原因で臭いが発生します。
皮脂にある常在菌が、汗や皮脂を分解し、それが酸化すると臭いが発生するのです。
汗腺には皮脂や臭い物質を多く出す「アポクリン汗腺」と体温を調節するために汗を出す「エクリン汗腺」があります。
血液の血漿(けっしょう)には、ナトリウムなどのミネラルの他、アンモニアが含まれています。通常はエクリン腺の汗腺で体外に出た汗の成分は、再吸収されて血中に戻されます。
ですから本来汗は、汗に含まれる物質が血中に戻るので、臭いはしないのです。しかし、再吸収の機能が低下し、成分が血中に戻されずに汗に残ると臭いが発生します。
汗や皮脂を原因としない体臭
① 加齢臭
② 口臭
③ 疲労臭
④ 生活習慣による体臭
⑤ 病気を原因とする体臭
などです。
2. 汗や皮脂を原因とする3つの体臭の原因とメカニズム
汗や皮脂を原因とする体臭の原因とメカニズムはそれぞれ違います。
ワキガ
ワキガは、アポクリン汗腺から分泌される汗が原因で発生します。アポクリン汗腺から分泌される汗には、タンパク質や脂質が含まれています。それがわきに常在する菌によって分解されるとあの臭いをだします。
エクリン汗腺は身体全体にあるのに対し、アポクリン汗腺は脇、乳首、陰部など特定の部位の毛包内に存在します。
ワキガの臭いのきつい人は、毛の多い人に見られます。ワキガは10人に1人の割合で発症するといわれています。本来なら汗に含まれる物質は血中に戻されるのですが、戻されないためにワキガが発生します。
わきがが発生する3つの原因
- 遺伝
両親や片親の遺伝によることが多いです。
- 性ホルモンの影響を強く受ける期間
妊娠、出産などの一定期間に多く発症します。
- 生活習慣の乱れ
野菜や魚をほとんどとらない生活、過度の飲酒や喫煙、ストレス・・・のように生活習慣の乱れから発生することがあります。
ワキガが発生しないための対策3つ
- こまめに脇の汗を拭く
汗を放っておくと臭いがきつくなるので、臭いの原因である汗をこまめに拭き取ることが必要です。
- わき毛を処理する
毛が多いと細菌の繁殖が活発になります。処理をしておくと 細菌の繁殖を抑えられます。
- 制御制御材や殺菌剤を使用する
制御材は、汗の分泌を抑えます。また殺菌剤は 細菌の繁殖を抑えます。
ミドル脂臭
ミドル脂臭は、40代頃から発生します。40代頃から、頭から首にかけて古い油のような強烈な臭いが発生するのがミドル脂臭です。
ミドル脂臭の主な原因
- 汗を作り出す汗腺の動きが低下
汗を作り出す汗腺が低下すると汗の中に乳酸菌が分泌しやすくなります。そして皮脂常在菌によって、乳酸が分解されます。分解されると「ジアセチル」という臭い成分が発生します。
このジアセチルは大変不快な臭いを出すのです。「ジアセチル」と「中鎖脂肪酸」が混ざるとミドル脂臭になるのです。ミドル脂臭は、主に後頭部や首の後ろを中心に発生します。
頭皮や首裏は顔などに比べ、皮脂腺や汗腺が多くなっています。それに加えて頭頂部や後頭部を中心に皮脂がたまりやすくなっています。
そのため後頭部や首後ろの臭いが強くなってしまうのです。50代頃から始まる加齢臭より強い臭いを感じるといわれています。
ミドル脂臭の人たちに多く見られる特徴5つ
- 枕が臭い
- 頭皮が油っぽい、べたべたしている
- 髪の毛をぬれたまま放置しがち
- シャンプー時間が3分未満
- 毎日、喫煙やお酒を飲む
ミドル脂臭は、後頭部や首の後ろを中心に発生するため枕にその臭いが移っていることがあります。
ミドル脂臭は、頭皮に蓄積されるのでさわると油っぽいです。髪の毛をさわっていつもべたついた感じがするとミドル脂臭が発生している可能性があります。
髪の毛を濡らしたままだと頭皮にニオイ菌が繁殖しやすくなります。タオルできちんと拭き取ってしっかり乾かさないと生臭いニオイがついてしまいます。
またシャンプーが短いと頭皮の脂や汚れが落ちていない可能性があります。毎回洗うたびきちんと汚れを落とさないと汚れがドンドン積み重ねられていきます。
タバコは身体に悪いといわれていますが、実は臭いにもとても関係しています。タバコに含まれるニコチンは頭皮脂の分泌を促します。
また、アルコールもたくさん摂取してしまうと毛細血管が拡張して皮脂が活発に分泌されます。頭皮脂が増えればそれだけ、ミドル脂臭が増えやすくなるのです。
ミドル脂臭の対策3つ
乳酸の発生を抑えることと、汗腺機能を高める必要があります。
- 適度に運動をする
発汗する力が低下して起こるミドル脂臭は、適度な運動をして汗腺の機能の低下を高める必要があります。 ウォーキングや軽いストレッチをすることで、正常な 汗腺機能に戻ります。
- 入浴する
汗の臭いが原因で発生するミドル脂臭は、普段から汗を拭き取る習慣が必要です。放置すると後頭部から首にかけてどんどん臭いの原因であるジアセチルが増えます。
効果があるのは入浴でゆっくり入ることで汗腺が開きます。またシャンプーをする前には予洗いをして、あらかじめ汚れをよく落としてからシャンプー剤をつけて洗う余分な油汚れがきれいに落ちます。
- 疲労回復する
疲労と臭いはとても関係があることが分かっています。40代になると疲労も若いころよりは蓄積しやすくなります。十分な睡眠をとるため、梅干しや酢のものなどのクエン酸を食べて疲労を回復することが大切です。
足臭
足が臭いと、よそのお宅に行ったとき、靴を脱いで座敷に座るのがはばかれます。また、足の臭い人が平気で靴を脱ぐと嫌な気分になります。足の臭いは自分が臭くても、人が臭くても大変迷惑な臭いです。
足臭の臭いを発生する4つの原因
- 雑菌
- 疲労臭
- 爪垢
- ストレス
雑菌には汗、角質、靴や靴下の臭いがある
意外なことに足の裏は汗を大変かきやすいのです。 足の裏は背中の役倍から10倍の汗腺が集中しています。そのため足裏は1日にコップ1杯の汗をかいています。
足の裏の汗は無臭であるエクリン汗腺から出る汗ですが、皮膚常在菌により分解され臭うようになります。
足裏は全身を支えるため、角質が厚く、硬くなっています。そのためはがれ落ちる角質も多く、常在菌によって分解され臭いを発します。
靴は靴先が密封されているため、汗をかきやすいです。しかし全体を覆われ通気性が悪いため、汗がたまりやすく雑菌が繁殖しやすいです。
何度洗っても臭いが消えない場合は疲労臭の可能性
疲労が蓄積されると本来尿としてでるはずのアンモニアが全身を巡り皮膚から出てくることがあります。
特に疲れた足は下半身の血行が悪く、血液と老廃物が たまりやすくなっています。そのため毒素のアンモニアが老廃物として排出され、疲労臭になって足臭になっているのです。
爪垢には古い角質がたまり、それを放置しておくと強烈な臭いをだします。特に親指には垢がたまりやすいです。
足の臭いとストレスは大変関係があり、「精神性発汗」といわれています。ストレスの緊張で汗が出て、それが臭いに変わっていくのです。
足臭対策
- 石けんを泡立てて良く洗う
石けんの泡を多く立てその泡の力で洗っていきます。洗うときは必ず手で洗うことです。
- 足湯をする
また、洗う前に洗面器にミョウバンや重曹を少し入れたお湯で足湯をしてから洗うといいです。足湯で汚れを浮かします。ミョウバンや重曹は雑菌を取り除いてくれます。
- 靴は履いたあと乾かす
靴は履いたらすぐにシューズボックスには入れずに少し風邪にさらし、中の蒸れた空気を乾かしてからしまうようにします。
- 靴下の洗濯にも工夫
靴下も通気性の良いものをはくようにすると蒸れもそれほどひどくなくてすみます。また、臭いが気になっている場合は、洗濯機に入れる前に、軽く除菌用の石けんで洗うといいです。
3.汗・皮脂による体臭の共通対策ポイント3つ
汗・皮脂による体臭のワキガ、ミドル脂臭、足臭の共通の対策は次の3つがあげられます。
- 汗を減らす
- 細菌を減らす
- 衣類をケアする
共通の臭い対策は清潔にする
入浴をきちんとする
汗を放置すると、ほとんど無臭のエクリン汗腺から出た汗も細菌により、臭いを発生します。汗をできるだけ拭き取り、皮膚にとどまる時間をなくしてしまえば、臭いはなくなります。
そのため、きちんと入浴をして、石けんの泡で汗や皮脂についた 油汚れをしっかり取る事が大切です。
汗をかいたときはこまめに拭く習慣をつけるようにしましょう。特に臭いが気になっている人は、汗をかいたとき放置せずにさっと拭き取るようにしましょう。
汗はすぐに細菌に分解されるわけではありません。 汗をかいたあと1~2時間経ってから細菌に分解され臭いを発生します。
汗をこまめに拭き取ることで、臭いは かなり抑えられます。衣類にしみこんだ汗も分解される前に着替えてしまうと臭いは抑えることができます。
細菌を減らす
細菌の繁殖や増殖を抑える石けんやデオドラント剤を使用してみるといいでしょう。
衣類をケアする
臭いが気になる場合は繊維に臭いが入り込んでいる可能性があります。普通に洗っただけでは落ちませんので、洗い立ての衣類に臭いがあると感じたときは、つけ置き洗いすると良いでしょう。
酸素系漂白剤を40℃以上のお湯に1~2時間つけてから軽くすすいで、その後普段通りに洗濯をするといいのです。
4.まとめ
体臭のワキガ、ミドル脂臭、足臭は、汗や皮脂が原因です。こまめに汗を拭く、きれいに洗う、当り前のようですが、日常でしっかりやっていきたいものです。体臭はまわりに迷惑を掛けます。エチケットとして、体臭は自分で気をつけなければいけませんね。
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